Japanese transcript
世の中は、答えでできているように見える。
だが、気を整えるのは、答えではなく問いである。
君が集めた正解が増えるほど、心が軽くなるとは限らない。
むしろ、頭の中に小さな断片が散り、判断が遅くなることもある。
私は、数学を学んできた。
数学は答えが明確だと思われがちだが、要は問いの立て方で決まる。
問いが良ければ道が開き、問いが浅ければ足場が崩れる。
若い頃私は、解ける問題を増やすことに力を注いだ。
しかしある時、解けるのに納得できない感覚が残った。
その原因は、問いが自分の中心から出ていないことだった。
問いは頭だけで作れない。
情緒が静かに定まると、問いは自然に形を持つ。
情緒が乱れると、問いは他人の真似になり、答えも借り物になる。
賢さとは、知識の量ではない。
自分が何を知らないかを、正しく見つける力である。
その力は、問いの質として現れる。
君が今、迷いや焦りを抱えるなら、答えを探す前に立ち止まると良い。
何を決めたいのかではなく、何を確かめたいのかを見る。
その違いだけで、思考は静かに整い始める。
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